第13回 瑩神会書道展 開催報告

第13回瑩神会書道展を終えて

安田社中が毎年秋に合同社中展として出品させて頂いている「瑩神会書道展」が、例年より少し早い10月10・11日に大阪北浜の大阪美術倶楽部で開催されました。

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今年は、この瑩神会の前身「遊神会」の生みの親、伊藤東海先生が三十三回忌を、東海先生のご息女で私の師匠である岡田東華先生が十三回忌を迎えられる特別な年という事で、両先生合わせて50点ほどの作品を集め、『伊藤東海先生 岡田東華先生 親娘展』という特別展覧を併設しての開催となりました。

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両先生の作品の数々は、今観ても実に堂々として瑞々しく、時代に左右されない書というのはこういうものだという事を改めて感じました。時を超える良い書を書くには、〝品格第一〟 その為に必要なものは読書と晋唐の名跡をしっかり臨書する事…先生方の書を観ていると、常にそうおっしゃって厳しく御指導下さった岡田先生のお声や、揮毫される時の凛としたお姿が蘇り、まだどこかに「見せたい」という気持ちが見え隠れしてしまう私を軌道修正して下さる良い機会を与えて頂きました。両先生にゆかりのある懐かしい諸先輩方も多数来られ、例年以上に見応えのある記憶に残る展覧会となりました。

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今年で19作目となる私の折帖作品のタイトルは「韶景帖」。韶景とは「春の景色」の事で、春らしい漢詩や和歌、水墨画を書き作品にしました。岡田先生に一から作り方をご指導頂き、初めて書き上げたのが「春華帖」という春を詠った折帖作品でした。あれから19年、両先生が年忌を迎えられるにあたり、初心に戻るという気持ちから、再び〝春〟をテーマにして作品を作りました。今年は丁度日展の締め切りと重複したこともあり、最後は徹夜の連続での仕上げとなりましたので、もうこの様な命を削る様な制作方法は、年齢的にも辞めなければなりません。説得力はありませんが、来年こそは余裕をもってゆっくり作品制作に取り組む決意です。この他に私は四×八尺の大作を2点出品し、姉の爽華は源氏物語と篆書の額作品を、門弟の皆さんもベテランから入会数か月の方まで、漢字・仮名・調和体・水墨画など、日頃の勉強の集大成として、色々なものに挑戦されました。良い作品も増え年々レベルアップしてきているのは確かですが、私も含め全員が勉強する身、まだまだと言う謙虚な気持ちで精進を重ねて参りたいと思います。

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 ご多忙の中を、滴仙会の先生方や滴仙会員の方々、他会派からも多数ご来場賜り、誠に有難うございました。紙面をお借りして厚く御礼を申し上げ、展覧会の報告とさせて頂きます。

(報告 安田東鶴  写真 天川爽司)


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