訃報 総務 本田香澄 先生 ご逝去

お知らせ(訃報)

本会 総務 本田香澄(本名 一實) 先生(享年93歳)には、平成29年8月10日にご逝去されました。

ここに謹んで哀悼の意を表しますとともにご冥福をお祈りいたします。

   弔 辞

本日ここに書道研究 滴仙会 設立総務 本田香澄 先生のお別れの会が執り行われるにあたりご霊前に弔辞をささげ深く哀悼の意を表します。
先生という大きな柱を失いました事は私達だけではなく長崎の書道界にとりましても痛恨のきわみでございます。
先生は大正十二年にお生まれになりました。書を志そうと思われたのは同じ長崎の不世出の書家廣津雲仙先生との出会いによるものと推察されます。
書の魅力取り憑かれ昭和55年に「書一筋でやろう」と決心されました。
それまで続けてこられた国家公務員を退職したものの長崎大学からの要請や教場の拡大など却って多忙となり数百名の門弟をご指導されていたとお聞きし先生のご努力、人望の深さに頭のさがる思いです。先生の書風はその人柄と相俟って温厚正統な書風を歩まれてこられました。師廣津雲仙先生が提唱した篆・隷・楷・行・草の五体をしっかり修得され、なかでも行草は中国明代の張瑞図・倪元璐という作家を根底にして作品を発表されてきました。
滴仙会はもとより書道界最高峰日展に入選され、読売書法会、日本書芸院そして長崎の書道界と常に第一線で活躍されてこられました。
ご息女の桂香さんも父の熱心な書法追求に感化され書の世界に入り順調に歩を進めてこられました。中でも平成23年に香澄先生米寿、桂香先生還暦の年に地元長崎新聞文化ホールで行われた書作展は他に類を見ない素晴らしい発表の機会でありました。今から6年前の事で家内共々拝見させていただいた事が昨日の如きでありました。
先生は後進の指導に情熱を注がれました。廣津先生亡き長崎の書道界への親子での貢献は計り知れないものがあります。県下屈指の数を誇り大いに長崎の書道文化発展に長年尽くされてきました。正に親から子へと固い絆を感じたのは私だけではなかったと思います。
先生は決して声を荒げて指導するタイプではありませんでした。長崎の講習会では多勢の方がごく自然に先生の声に随い、常日頃のご指導のあり方が手に取る様にわかりました。
尊敬する本田香澄先生が地上での生を終えられ天に帰されること哀悼の念に耐えません。どうか安らかにお休み下さい。そして墨真会の発展、そして更には桂香先生の活躍を見守って下さい。長きに亘り本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げお別れの言葉とさせていただきます。

 平成29年8月12日
            合掌 滴仙会 理事長 伊藤 一翔

 


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