2018年 滴仙会理事会及び新年会

2018年 滴仙会理事会及び新年会報告

 去る1月7日、大阪のホテル阪急インターナショナルにて「滴仙会理事会及び新年会」が行われました。


JRの大幅な遅延により新年早々ハプニング付きの幕開けとなりましたが、遠方からも理事以上の先生方が多数お集まりいただきました。
先生方が着席になられたところで司会を務められる伊藤一翔理事長が開会の辞を述べられ理事会がスタートいたしました。
新役員昇格者の紹介、平成29年度の事業報告、会計報告及び監査報告が滞りなく進められ、続いて平成30年度の事業予定、予算案が発表され、先生方にご承認いただきました。
また昨年は大重筠石会長の遺墨展が開催されましたが、今年は若手の活躍の場である九層展を催す予定との発表がありました。それと共に若い人、新しい人など初心者向けの一日講習会を春と秋の2回開催予定であるとのご報告もありました。兵庫や大阪、各地方で初めて半切を書いてみたい、もしくは二×八尺など展覧会作品に挑戦してみたい方向けの勉強会を立ち上げて行きたいので、皆さんの地方で開催して欲しいと言われる方は申し出ていただき、新しい滴仙の力となる方を育てていきたいと述べられました。
最後に顧問西本茜堂先生より「12月21日の読売新聞の書評に関西の漢字書はどうなっているんだという記事がありました。日展は一局集中で、ある会派は百数十名の入選者がでたが、あとの会派は一桁止まりしか入選していないのはどうしたことだ、というお叱りまたは励ましの言葉かとも思われる記事が載っていました。以前関西の漢字書は群雄割拠といいますか、明清朝のリズムを踏襲したいい戦いの場で各会派が競っていた時代がございます。それなのに一局集中の現状を、どう考えているのだろうと結ばれていた。それを読んで、これではダメだ!滴仙会も、初心者の方の発掘をしていくことも大事だが、理事の方々もIT書道の時代といわれる中で、会の有り様を考えていただきたい。会として生き残っていく一つの礎は、先生方のお力添えがなくてはなりません。書の世界にいる以上、いろんな意味での前向きな努力をしていかなければならないと思います。〃努力は才能より勝る〃といわれています。我々は頑張るしか無いのです。滴仙会もみんなで書道界に力強いメッセージを送りましょう!!」という、パワー漲るお言葉を頂戴しました。
伊藤理事長からも、「とにかくいい作品を書くことにつきると考えております。まず各自実力を高めていけるよう、頑張っていきましょう!」と述べられ、お聞きされた諸先生方もきっと〃今年も奮起するぞ〃と、新年の決意を新たにされた事と思います。
滴仙会の新たな船出の決意をお聞きしたところで、盛大なる拍手と共に理事会は閉会されました。
その後は同ホテル内にある大広間に会場を移し、一般の会員の方々も加わり、滴仙会新年会が開会されました。まずは静粛な雰囲気に包まれる中、伊藤一翔理事長のご挨拶がありました。「全国より110名の方々が集まり、新年を共に喜ぶことができました事を、感謝致します。旧年は大重筠石会長を偲ぶ会及び滴仙展においては遺墨展を開催いたしました際にご協力ありがとうございました。2017年は書道界において、十年に一度、学習指導要領の改定の年でありました。その中で小学一・二年生の水書きが認定されました。水書きが認定されることにより、書道を習わそうという親御さんが増えたり、教えている先生方においても、もう一度書の勉強をし直そうという気運が強まってくるんじゃないかと思っております。実際に影響してくるのはまだ先かと思われますが、これからそういう事を早急に認知して、体制をとっていただきたい。また六月に文化芸術基本法が改定されました。能や歌舞伎を無形文化遺産、書道とかお花、お茶などを生活文化遺産と格付けされておりますが、基本法改定に伴いその二つが一緒の位置付けになりました。
書道はユネスコの無形文化遺産登録に向けて一丸となって運動しております。無形文化遺産の登録が最短で2020年を目標にしておりますが、その中で書道が歌舞伎、能など無形文化遺産と同じ位置になることは非常に大きな事であります。滴仙会で書を教えている先生方も2020年に向けてしっかり状況を把握して、教室の拡大を頭に入れて準備して頂きたい。
また、理事会で承認を受けました、九層展や一日講習会などの開催を次々と企画して、滴仙誌の中に発表していきたいと思いますのでご協力お願いします。
今年は戌年でございますので皆様にとってワンダフルな年になりますよう祈念致します」と述べられました。
続いて29年度新役員となられた先生方のご紹介。29年度各展覧会でご活躍された先生方のご紹介が行われました。そしてその後は雰囲気も和やかに理事長伊藤一翔先生、顧問西本茜堂先生、副理事長沼田碧漣先生、安田東鶴先生、福田蕉溪先生により、平成30年がめでたく開かれますようにと「よいしょ、よいしょ、よいしょ」と高らかな掛け声と共に鏡開きが行われました。
皆に振る舞い酒が行き渡った後は、総務の佐野宮峰先生より「今年は戌年でありますが、犬というのは西郷隆盛が非常に愛した犬のように、忠実で人に正直に仕えるものであります。犬馬の心とか犬馬の労ということわざがありますが、新役員を含めまして皆さまが、一生懸命親身になって犬馬の心をもって、滴仙会を盛り上げていきましょう。滴仙会の発展と皆様のご健勝を祈念します」との乾杯のご発声と共に祝宴が始まりました。
美味しい料理をいただきながら、恒例になっておりますビンゴゲームが行われました。景品として出品されておりました大重先生、伊藤先生の色紙、安田先生の手作りカレンダー等々豪華景品をゲットしたいという気迫で、一味違った緊張感に包まれながら番号一つ一つに一喜一憂し、この日一番の盛り上がりを見せました。
久しぶりにお会いできた先生方との会話も弾み、美味しい料理に酔いしれていると、早くも終盤!新年会の締めといえばやはりカラオケ大会。皆さんの美声に聞き惚れつつ、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
宴もたけなわとなり、最後に顧問西本茜堂先生が万歳三唱、閉会の辞を述べられました。「滴仙会は16年目を迎えていろんな意味で一年頑張って行くには、ご参集の皆様方のご協力なくては動けません。それぞれの地で指導者として尚一層頑張ってほしい。滴仙会も地に足がついた動きを皆様と共にしていきましょう!お互いに滴仙展や色々な展覧会、誌上を通じて理事長、三副理事長を囲んで滴仙会ここにありという形の一年にしましょう」と締めくくっていただきました。
平成30年という、節目の年でもございます。目標新たに一年精進してまいりたいと思います。みんな一人一人の努力がきっと滴仙会を盛り上げていくはずです。一致団結して会員一同が大きく隆昌、発展する年となりますよう心から祈念致しまして、滴仙会理事会及び新年会のご報告とさせて頂きます。      (報告 永里香雪  写真・岡西光剡・野田岳豊)


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