第12回 瑩神会書道展 開催報告
第12回瑩神会書道展を終えて
伊藤東海先生が創設し、岡田東華先生が守ってこられた「遊神会」。岡田先生のご逝去と共に「瑩神会」と名前を変え、原田青琴先生が会長となられて、回を重ねること第12回目となる瑩神会書道展が、11月15・16日に大阪北浜の大阪美術倶楽部で開催されました。
例年であれば10月最終の土・日に開催されるこの展覧会ですが、今年は11月中旬の開催となりました。ちょうど神戸で開催された西本茜堂先生社中の作品展「茜真会書展」と全く日がかぶってしまうというダブルブッキングになり、申し訳ないことではありましたが、晩秋の清々しい快晴の二日間となり、滴仙会の先生方や会員の方々をはじめ、他会派からも沢山ご来場賜り、ご観覧頂く事ができました。紙面をお借りして厚く御礼を申し上げます。
作品数は170点ほどで、その内の四割ほどは安田社中からの出品でした。大阪美術倶楽部は、この規模の展覧会場としては他に類を見ない畳敷きの誠に上品な会場で、伊藤東海先生・岡田東華先生から脈々と受け継がれてきた「書は品格が第一」という教えを守り、発表するには最高の会場です。
私は4×8尺の大作を2点と毎年テーマを決めて1冊ずつ書いています折帖の3点を出品、折帖は「玄黄帖」として自然の美しさや自然への感謝、また自然の怖ろしさを色々な表現方法で作品にしました。姉の爽華は半切二行の漢字とかなの額作品、生徒代表の遠藤玄清さんは九層展にも出品し好評だった呉昌碩を臨書した帖と篆書の額、他の会員の皆さんもベテランから入会数か月の方まで、漢字・仮名・調和体・水墨画など、日頃の勉強の集大成として、或いは日頃とは違うここでしかできないものに挑戦し、立派に作品を仕上げられておりました。その努力・苦労が何よりの経験となり、先々に繋がって行くものと信じています。
来年は伊藤東海先生の33回忌、岡田東華先生の13回忌に当たる節目の年ということです。先生方の作品も数多く出品される事と思います。東鶴社中も両先生に天国から叱られないような格調高い作品を発表できるよう更に精進を重ねて参りたいと思います。
(記事 安田東鶴 ・写真 天川爽司)
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